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寄稿

KGRI「AI活用プロジェクト」

KGRI創造のクラスター長・理工学部長:伊藤 公平


慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI: Keio University Global Research Institute)の「創造のクラスター」では、2018年度から主幹プロジェクトとして「AI活用プロジェクト」を発足しました。これは全塾レベルでのAI活用を支援・促進するもので、教職員・塾生がツールとしてのAIや言語としてのプログラミング活用を進める環境を整えます。若く柔軟な考え方を有する若者ほどAIやプログラミング活用に長けるという考えのもと、塾生レベルで自由な活動に取り組める最新のAI・プログラミング環境を用意し、そこにメンバー企業が、使途制限なしのビッグデータや、指南者(メンター)を提供することで、塾生らの活動の幅を拡げ、社会の接点を点から面に展開します。このような塾生活動の発展は、教員の教育研究活動や、職員の事務効率化にもつながると期待しています。すなわち、AI活用・プログラミング能力に長けた塾生が、ゼミや研究室の研究活動レベルを高め、事務レベルでのIT活用に関しても塾生からアドバイスが受けられるということです。

本活動の起点として、7学部3研究科が学ぶ日吉キャンパスに、全学部の塾生と教職員に開かれた「日吉AI・高度プログラミングルーム」(藤山記念館F11号室)、理工学部矢上キャンパスに「矢上AI・高度プログラミングルーム」(34棟407号室)を開設しました。日吉ルームの開設に合わせて、教員有志でACM-ICPC国際大学対抗プログラミングコンテスト(1チーム3人で、数学やパズル問題を速く正確に解くプログラミング能力を競う大会)への出場希望者を募ったところ、学部をこえて60名ものプログラミング好き塾生が集まり、同ルームでのトレーニングをとおして12チームが国内予選に参加し、そのうちの2チームが見事、アジア地区予選への参加キッブを手に入れました。「AI・高度プログラミングルーム」は、それぞれのキャンパスの要望に沿った形で、信濃町、芝共立、湘南藤沢、三田キャンパスに展開していきたいと思います。

「AI・高度プログラミング活用」は「AI研究」とは異なります。理系文系を問わず必要とされる研究能力の一部として、メーカーや医療現場で必要とされる開発・効率化手段の一部として、文系も含めてこれからのすべてのビジネスシーンで必要とされる実務能力の一部として必要となる、ツールとしてのAIやプログラミング活用を指します。よって、本プロジェクトには社会とのつながりが欠かせません。また、塾生らの活動を支援するためには、最新のコンピュータ環境を整えて様々なイベントを企画する「攻め」の側面と、ルーム利用規範やITセキュリティなどを徹底する「守り」を実現するための設備整備・人員配置が必要です。基盤はKGRIが整備しますが、その発展のためには民間資金も欠かせません。そこで、「慶應義塾大学AI・高度プログラミングコンソーシアム(仮称)」という形で、広くメンバー企業を募り、参加企業の皆様から、塾生が自由に使えるデータ、コンピュータ機器やクラウド計算時間、運営資金などを提供いただき、AI・プログラミングやビジネスに関するメンターを派遣いただくことで、塾生と社会のつながりを強めます。コンソーシアムは、AI・プログラミング活動の基底であり、各社が目的とするビジネスとは切り離した育成プログラムであることを徹底します。この活動を通して、メンバー企業と塾生および教員の間で、共同事業の可能性が生じる場合には、次の階層、すなわち、コンソーシアムから離れた枠組みでの事業実施に進んでもらいます。コンソーシアム活動は2018年10月以降に発足できるよう準備を進めています。

AI活用プロジェクト実施には、塾内関係各所の協力が欠かせません。すでに多くの方々にお世話になっておりますが、今後とも本プロジェクトに対するご理解とご支援をどうか宜しくお願い致します。

最終更新日: 2018年9月12日

内容はここまでです。