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特集

統合印刷システムの更新について

理工学ITC:浅見 健次


ITCでは教育環境における印刷方式の統一と、不要な印刷の抑制や印刷物放置による情報セキュリティ対策のため、2003年度にプリペイドカードによる課金に対応したオンデマンドプリントシステムを三田・日吉・信濃町・矢上の4キャンパス共通仕様で導入した。このシステムは2006年度と2009年度にそれぞれ更新を行っており、インターネット経由による塾外からのIPP(Internet Printing Protocol)印刷の実現や、モノクロ/カラー自動判別などの機能を付加することで利用者の利便性向上を図ってきた。また、2012年度のリース満了時は芝共立キャンパスへの導入のため延期し、交通系電子マネーの普及を受け、2013年度に交通系ICカード(Suica/PASMO)による精算方式を採用したシステムに更新している。

今回の統合印刷システムの更新では、プリペイドカード対応機器の生産終了に加え、授業利用等における印刷料金の校費支出、スマートフォンの急速な普及やタブレット端末の授業利用など、印刷環境への要求も多様化していることから、交通系ICカードによる精算機能に対応したオンデマンドプリントシステムの基本機能を踏襲し以下の機能を追加した。

授業利用時の非課金出力(授業モード)

申請を受けた授業において、当該PC教室内より投入された印刷要求については課金処理を行わず、校費一括請求による後払いに対応する。

特定ユーザ(グループ)への非課金出力(上限印刷モード)

ゼミや研究プロジェクトといった特定メンバーの印刷料金については出力時に課金処理は行わず、校費一括請求による後払いも選択できるよう対応する。

印刷料金の請求書・領収書発行(校費一括請求)

授業利用やゼミ等における印刷料金支出の原資が学部、学科、講座、研究室など多岐に渡ることや、会計部門における従来の予算執行処理に適合させるため、上記授業モードや上限印刷モードでの印刷料金について請求書・領収書を発行する。

印刷物のキャンパス間相互出力

前システムでは印刷要求したキャンパス内のプリンタからのみ印刷物を取り出すことが可能だったが、どのキャンパスのプリンタからも印刷物を取り出せるようにする。

スマートフォンやタブレット端末対応

AndroidやiOSなどのスマートフォン、タブレット端末からの印刷を可能にする。


上記の機能を実現するにあたり、授業モードは製品の改修を、校費一括請求はサブシステム化を図るなど、導入時における細かな課題についても納入業者との連携で解決してきた。また、これまで物理サーバーで運用してきた基幹サーバーを既存の仮想環境上に構築することで、コストの削減とともに堅牢性の強化も実現している。

しかしながら、各キャンパス内に配置したプリンタの利用率に大きな差があるため、プリンタ機器のローテーションを行う必要があるなどの運用上課題とともに、Linux端末を授業教室に配備しているキャンパスがあることから、Linux対応も継続しなければならない。

導入より15年を経過し、利用者にもすっかり定着したシステムではあるが、授業や自習利用のための印刷環境とともに、研究活動における大判印刷や大量印刷などの様々な印刷環境への要求を踏まえると、アウトソーシングを含めた印刷環境の様々なサポート形態を検討することも必要なのかもしれない。

最終更新日: 2018年9月25日

内容はここまでです。