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巻頭言

学生時代を過ごすキャンパスは

ITC所長:中村 修


学生時代を過ごすキャンパスは、その後の人生にとって大きな影響を与えます。キャンパスの情報インフラは、建物や並木などと同じようにキャンパスそのものです。特に、キャンパスの有り様に関する基本的な考え方は、情報インフラを考える上では、キャンパスネットワークのポリシーを決めるという1番重要な要件定義なのです。

幸か不幸か慶應義塾のキャンパスネットワークのポリシーには、私自身大きく関わってきました。慶應義塾のキャンパスネットワークは、80年代初頭に矢上キャンパスの当時理工学部計算センターと電気工学科相磯・所研究室、数理科学科計算機室および斎藤研究室のVAX11/750を10BASE5 Ethernetケーブルで相互に接続したコンピュータネットワークから始まりました。このネットワークの設計構築、運用をしたのは、私自身なのです。その後、インターネット研究開発とその普及に携わり、現在ITC所長という役目を拝命しました。

慶應のキャンパスネットワークのポリシーは、

  • 学生の活動や教員の研究教育活動を支援する自由な情報インフラである
  • グローバルなインターネットのサービスをフルに活用できる

このポリシーは、僕が矢上で最初にネットワークを作ったときから、四半世紀にわたり変わらず守られてきました。昨今、セキュリティ問題が顕在化する中、多くの大学が必要以上にプロアクティブなセキュリティオペレーションを実施する傾向にあります。慶應のキャンパスネットワークのポリシーにも、近年改めて、

  • 安心安全な情報インフラ環境を提供する

が追加されました。しかし、慶應では、他大学で行われているような、利用可能なサービスを限定したり、新規に開発されたアプリケーションの利用を登録制にするなどの、事なかれ主義の運用はおこないません。このようなキャンパスで学生時代を過ごした卒業生は、自分のビジネスが、別のサービスによって被害を受けたときなど、ネットワーク上で通信の規制をするべきだとか、通信を遮断するべきだと単純な反応をしてしまうのではないでしょうか?

インターネットはグローバルで、様々なサービスが展開され、様々な情報が自由に交換されています。このグローバルで自由なインフラが、現在のグローバル経済を支えていることは、慶應のキャンパスネットワークで学生時代を過ごした学生諸氏にとっては当たり前であると理解してもらえると思います。一方セキュリティ確保という名のもとに必要以上にプロアクティブな通信制限や制御されたキャンパスで学生時代を過ごした学生にとっては、このインターネットの本質を理解することが難しいのかもしれません。真に自由で安心なキャンパスネットワークを今後とも推進していくためにも、キャンパスの利用者である学生諸氏、教職員の方々と引き続き会話を重視し、開かれたキャンパスネットワークの提供をしていきます。

最終更新日: 2018年9月12日

内容はここまでです。