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特集

「ITCシステム(芝共立ITCのシステム統合化)について」

芝共立ITC 中村 進


共立薬科大学との合併

 2008年4月に学校法人共立薬科大学との合併に伴い、慶應義塾大学薬学部・薬学研究科が開設されました。同時に芝共立インフォメーションテクノロジーセンターも発足しました。

旧システムの環境(skc共通認証システム)

 共立薬科大学との合併時には共立薬科大学で稼働していたWindowsドメイン環境を利用し、ユーザ名の命名規則などを慶應義塾のものとそろえて移行を行い、skc共通認証システムとして稼働を開始しました。当時の環境は移動プロファイルという機能を利用しており、個人環境の設定情報をログオンのたびにサーバから読み込み、ログオフ時に変更された情報も含め保存をする仕組みでした。メリットとしてはどのパソコンでログオンしても同一環境で利用できるというのでしたが、問題点として移動プロファイルデータに含まれるデスクトップやドキュメントフォルダもログオン時にサーバからクライアントに転送されるため、大量のデータを保存すると、ログオンに時間を要したり、ひどい場合にはプロファイルデータが破損して、ログオンができない、または、ログオン後の動作が不安定になるということがあり、改善するための方法を模索していました。

 また、薬学部の特徴として、1年時は日吉キャンパス、2年時以降は芝共立キャンパスと所属キャンパスが変わるという中で、キャンパスごとでIDが違うということで利用者が混乱することがありました。また薬学科5年生の病院実習の際に、信濃町キャンパスへ行く学生もおり、旧システム環境時には実習前に信濃町キャンパスのパソコン室でログオンできるように事前にアカウント申請を行うなどの手続きを行っていました。

ITCシステムへの期待

 2010年9月より三田・日吉・信濃町・矢上キャンパスで稼働を開始したITCシステムにおいて旧システム環境の問題を解決すべく移行検討することとなりました。移行を行うことで期待されるのは、アカウントの一元化と安定したデータ保存領域の利用でした。入学時に配布したITCアカウントを利用して芝共立キャンパスのパソコン室が利用できることと、信濃町の病院実習時にアカウント申請手続きを行わずとも利用が可能になることで利用者の利便性向上が期待できる。また旧環境では提供されていなかった各ユーザの保存領域を確保することができ、どのキャンパスからログオンしても同一の保存領域を利用可能となり、この点でも利便性向上へとつながる。ただし、移動プロファイルの機能は利用していないため、個人環境の設定は完全に引き継がれないということはあるが、固定プロファイルを利用しつつ、最低限の個人設定を引き継ぐ仕組みで構築されているためプロファイルデータの転送量が減少し、破損の心配がなくなり、ログオン時の安定化が期待できる。

 そのため、若干のデメリットもあるが、メリットのほうが大きいため移行を行う方向ですすめていくこととなった。

移行時における懸案事項

 しかし、移行方法において懸案事項が存在した。他キャンパスではITCシステムへの移行時には新旧両方のシステムからのログオンを可能にすることで利用者の混乱を押さえるように移行を行っていた。芝共立キャンパスでも同様な方法がとれないか検討したが、大きな問題点にぶつかる。旧サーバ環境はプライベートアドレス、新サーバ環境はグローバルアドレスを利用していた。そのため、クライアントPCへのIPアドレスの割り当てをどうするかという問題であった。他のキャンパスはクライアントPCもグローバルアドレスで構築していたため、芝共立キャンパスでもグローバルアドレスで運用したい。しかし、旧環境のサーバはプライベートアドレスにて構築されており、通常はグローバルアドレスからの接続はできない。仮に接続可能なようにネットワークを調整するとしても、予期せぬトラブルが発生することが想定される。そこで芝共立キャンパスでは並行運用期間を設けずに移行を行う方向で調整を行いました。

移行準備・作業

 並行運用しないことから、IDの変更に関する情報を広報でカバーをすることで混乱を押さえるよう進めました。まずは2012年度の新学期ガイダンスでパソコン室のIDが変更になるということの周知を行い、その他にも掲示板やWebなどでもアナウンスを行いました。また、新アカウントの配布日を学生がキャンパスに来る可能性が高い成績発表の日に設定し、学生課に協力を依頼し、学生課窓口前に配布用窓口を開設し、可能な限りそこでアカウントを配布しました。もちろんそれで全員はカバーできないので、漏れた利用者については事務室窓口にて対応を行いました。

 システムについては、2012年8月にパソコン室がリプレースのため、新機器への入替と同時にITCシステムのドメインへの参加を行う方向で作業をすすめました。切替日を2012年8月20日(月)に設定し、その前週のキャンパス一斉休業中に切り替え作業を行うということで、それまでに必要なサーバのキッティングや稼働確認を行い、計画通りに移行を行うことができました。

 移行後に利用者がログオンできずに窓口に来ることもありましたが、一斉に来るような混乱も生じずに無事に切り替えを行うことができました。

おわりに

 今回の移行作業が無事に終えることができたのも、パソコン室を利用されている教員の方々や関連部署の方々、および他キャンパスITCの方々の協力があってのことかと思います。そういったことに感謝をしつつ、今後も業務をすすめていければと考えております。

最終更新日: 2013年11月12日

内容はここまでです。