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特集

慶應義塾におけるソフトウェアライセンスの利用について

ITC本部:荒井 央


現在ITCで提供しているソフトウェアはキャンパス共通で提供しているもので14種類あり、さらにキャンパス独自に提供しているソフトウェアも数えると、20種類以上にのぼります。ただしAdobe ETLAは上記で1種類にカウントしましたが、実際に利用できるソフトウェアはCreative Cloudのデスクトップ製品だけでも27ソフトウェアもありますし、Microsoft EESのライセンスを使って利用できる製品はWindows OS、Officeスイート製品、Office for Macスイート製品、Core CALと、バージョンやエディションまで細かくカウントすると20種類以上になります。さらに、先述したとおり各キャンパスの特性に合わせてキャンパスを限定して提供しているソフトウェアもあります。例えば矢上キャンパスにある理工学ITCではLabVIEW、astah professional、OriginProといった理工学部の授業や研究によく利用されるソフトウェアを揃えています。また、薬学部を抱える芝共立キャンパスにある芝共立ITCではPhoenix WinNonlinという薬物の作用を薬物動態学と薬力学の組み合わせにより解析する薬学部ならではのソフトウェアのライセンスを提供しています。ここまで述べたソフトウェアをカウントするとトータルで80種類以上にのぼります。各ソフトウェアの説明や利用対象者についてはITCのWebページにて紹介されているのでここでは割愛しますが、その多様さでは、慶應義塾ほど潤沢なソフトウェアリソースを提供している大学はそう多くはないと言えます。

ITCではそれらのソフトウェアを利用者へ広く広報し利活用してもらうことはもちろんのこと、利用者や時代のニーズにあったソフトウェアを整備していくこと、ソフトウェア利用のコンプライアンスを遵守し利用者への啓蒙活動を行っていくことが重要な役割であると捉えています。

それでは、どういった基準でソフトウェアを新規導入するかについて、慶應義塾でのライセンス提供が比較的まだ新しいEndNoteとiThenticateについてご紹介したいと思います。

EndNoteは文献管理や論文執筆時の引用文献のスタイルを整備する論文作成支援ソフトです。また、2014年に導入したiThenticateは学術論文の剽窃チェックツールで、世界最大級の学術フルテキストデータベースと照合し、論文や著作の剽窃や盗用がないかをチェックしてくれます。このようなソフトウェアを導入した背景には、近年インターネットの利用により、様々な論文や著作を検索し閲覧することができるようになったことから、正しい引用や参考文献の記載がなされないまま学術論文が公開され、剽窃・盗用疑惑が 事件になったことが一因にあります。このように、利用者や時代のニーズを反映したサービスを提供していくことがソフトウェアの利用率向上とリソースの有効活用につながると考えています。

次に、ソフトウェアライセンスの適切な運用もITCとして重要な取り組みのひとつです。ソフトウェアライセンスの適切な運用とは、管理・運用者側の取るべき対応と利用者への啓蒙活動という内向きと外向きへの働きかけから成立します。

ソフトウェアは著作権法等により保護されており不正利用は違法行為にあたります。ずさんなIT資産管理は、損害賠償や刑事罰を科せられるだけでなく、慶應義塾としての社会的評価や信用を失墜させることにつながりかねません。現在慶應義塾で提供している多種多様なソフトウェアはそれぞれ利用可能対象者、利用可能端末、利用可能期間等が契約で定められています。その利用可能対象者の属性だけとっても慶應義塾には学生、教員、研究員、職員、医師や看護師など病院所属の方々や一貫校の方々と様々です。各ソフトウェアの利用可能対象者や導入可能端末などの組み合わせを完璧に頭に入れて対応していくことは、正直とても複雑で大変ですが、契約やコンプライアンスに抵触しないよう、正しくライセンスの管理運用をしていくことがITCの使命であり責任であると考え、今後も継続してその監査役を担っていきたいと思います。一方、利用者には使用許諾を理解してもらい正しく利用していただくよう、啓蒙していかなければなりません。ソフトウェア不正利用の事件が起こると、「知らなかった」ではすまされない、とよく言われますが、教育機関として「知らせていく」ことが不正利用防止の第一歩になると考え、学部・大学院の新入生にはリーフレット等を配布し、ソフトウェアの適切な利用とファイル共有ソフトウェアの利用時の注意について教育することを続けています。ITCのwebページにも掲載していますので、ぜひ一度「ソフトウェアの利用について」( http://www.itc.keio.ac.jp/ja/software_fusei.html )や「ファイル共有ソフトウェアについて」( http://www.itc.keio.ac.jp/ja/file_sharing.html )をご覧いただきたいと思います。

ITCで提供しているソフトウェアの多くは個人や研究室単位で購入するには大変高額なものですので、ぜひ積極的にご利用いただきたいと思います。引き続き慶應義塾ITCでは教育・研究の分野においてその発展に貢献できるよう、便利で利用価値の高いソフトウェアを選別して提供し、コンプライアンスを遵守した利用促進を行っていきたいと思います。

最終更新日: 2016年9月9日

内容はここまでです。