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巻頭言

情報環境の在り方のおける変革の年

ITC所長:中村 修


組織における情報環境の整備は、例えば最近ではトップマネージメントからのDX号令がかかり、専門家と呼ばれる人達がその在り方について議論し、情報システム部門がその整備をおこなう。大学の情報環境は、一般的な会社に比べ、その整備に関しては長い歴史があることから、各大学ともキャンパスネットワークの整備や昔は大型計算機システムの提供、現在ではクラウド基盤の提供など、日常の業務としてその整備は淡々とおこなわれているように思う。故に昨今のDX風潮に対して各大学の情報システム部門は、今まで計画していた環境整備の延長線上ぐらいの捉え方なのではないだろうか。慶應義塾でもここ数年IT担当常任理事から塾のDX化の要求もあり、一部の人達によるデータ中心の情報環境の在り方について議論をしてきていたが、具体的なシステムイメージの導出までには至っていない。

しかし、今回のコロナによる環境の変化は、情報環境の在り方に大きな変化を与えたと感じている。その最大のポイントは、すべての利用者が、情報環境の在り方に関して一家言を持つことになったことである。今まで、一部の専門家や情報システム部門が、良かれと考え整備してきた環境。多くの利用者にとっては、それなりに満足できる環境であったと思う。与えられた環境の善し悪しについて特に考えることもなく、“まあ、そんなものだよね、自分にとって最低限必要な環境だけが利用できればそれで良し”と利用してきたのだろうと想像する。しかし、今回のコロナ渦で、大学側が提供するシステムを否応が無しに利用しなければいけない状況となった。遠隔会議や遠隔授業、リモートワークと、今まで一部の専門家は、その有用性などについて言及し、一部のサービスは運用を開始していたシステムを、すべての人達が使わざるをえなくなった。このことによって、今まで特に気にしていなかった情報環境について、すべての利用者が一家言を持つようになったのである。多くの利用者が、遠隔会議の有用性を実感し、遠隔授業の可能性なども感じていられると思う。また、システムの使いにくさについても多くの意見をお持ちになっていることだと思う。

紙を基本とした事務処理が、オンラインになり、印鑑の意味や情報の秘匿性など、今まで情報の専門家の間では話題になっていたキーワードが、多くの利用者にとって、具体的なイメージを持って理解できるようになったことと思う。

利用者の視点での情報環境の整備。すべての学生・教職員にとって、大学のDXとは?!

正にこの1年、大きな変革の年になった!

最終更新日: 2021年10月5日

内容はここまでです。