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提言

25周年の節目に

湘南藤沢ITC 所長:植原 啓介


湘南藤沢キャンパスが開設されてから、今年で25年になります。湘南藤沢ITC所長として、また情報技術系の専任教員として、今更ながらに開設に携わられた方々の先進性と並々ならぬ努力に頭が下がる想いです。

現在の湘南藤沢キャンパスのICT環境や情報技術系教育の設計は、キャンパス開設当初から引き継いでいるものが多々あります。特別教室の環境は、1990年当時のワークステーションから現在はMacに変化していますが、CNSアカウントというキャンパス独自のアカウントを使ってログインする環境はそのままです。開設当時に考えた自由なネットワーク環境を学生に提供したいというコンセプトも、現在の比較的制限の緩いネットワーク運用に引き継がれています。教育においても、教える内容はもちろん変わりましたが、専門に関係なく全員が情報技術を道具として使いこなせるように全ての学生を対象に開講している状況は変わっていません。このように25年も引き継がれるようなきっちりとした理念と基本設計に基づいて提供されてきた教育とICT環境があったからこそ、現在社会で活躍しているような卒業生が育ったのでしょう。

一方で25年も経つと、周りの環境も大きく変化します。とりわけこの20年は、インターネットによって社会そのものが大きく変化しました。キャンパスに入学してくる学生のICTに関する知識や経験も、昔とは全然異なるものになっています。普段の生活ではスマートフォンやPCを当たり前に使いますし、高校では教科として「情報」を学びます。更には文科省は小学校からプログラミングを学ばせるべきだと言い始めています。また、卒業後に周りから求められるスキルも当然変わっています。データサイエンティストが足りないだとか、フルスタックエンジニアが必要だとかという話をよく耳にします。

「未来からの留学生」が湘南藤沢キャンパスのコンセプトです。しかし実際には、キャンパスそのものが未来から移設されたものであったと思います。次の25年が経過すると2040年です。2045年にはシンギュラリティが起きるという人々もいます。その時には、人類の知能をコンピュータが超越するというのです。そうだとすると、幸い、2040年はまだ予想可能な範囲なのかもしれません。どちらにしても、キャンパスとして2040年に向けて未来をデザインし、それを実現できる人材を育てる必要があります。そのための礎となれるようなICT環境を提供できるITCでありたいと思っています。

最終更新日: 2015年9月9日

内容はここまでです。